Monday, July 25, 2016

二宮正治小説:実録東京都知事選:P7(この物語はフィクションです)

 小池百合子はこの選挙に確かな手応えを感じていた。

メディアも、

「小池氏リード」

 こう伝えている。

小池は月曜日からの選挙運動の準備をしながら、自分が今回の都知事選に出る意義を自分自身

に言い聞かせた。

「私が出馬することにより、都知事になる事により、同年代の女性に勇気を与える事ができる。私

達の世代はちょうど古い世代と新しい世代の境界線にいて、何かと孤独な女性が多い。そんな女

性の希望の星に私はなろうと思う。個人消費の拡大も望める。私が都知事になる経済効果は起き

いのだ」

 そして、紅茶をゆっくり飲んで、

「誰にも真似のできない、都知事外交を展開してやる」

 こうも呟いた。

「飛躍しようとする女性たちの希望の星になるのだ」

 最後にこう呟いて小池は瞼を閉じた。

Sunday, July 24, 2016

二宮正治小説:実録東京都知事選:P6:(この物語はフィクションです)

 小池百合子は今回の都知事選に確かな手応えを感じていた。

「かなりの自民党支持者が私を応援してくれている」

 この事がはっきり分かったのだ。

「東京の灯を消してはいけない。この東京の灯を守れるのは私しかいない」

 小池は自分にこう言い聞かせた。

日曜日の朝読売新聞に、

「小池氏増田氏競う」

 こう書いてあった。

「増田氏には女性票が取り込めない。必ず私が勝つ」

 小池は勝利を確信していた。

「東京を世界の中心にする」

 こう自分に言い聞かせて、スタッフに、

「今日もがんばろう」

 こう激を飛ばした。

Saturday, July 23, 2016

二宮正治小説:実録東京都知事選:P5:(この物語はフィクションです)

 小池百合子にうれしい知らせが入ってきた。

「世界の人達、それも女性が小池百合子を支持している」

 この知らせだ。

「うれしい、都知事になったら思う存分仕事ができる」

 小池は体の底から力が湧き上がってくるのを感じた。

世界の男性も、

「ユリコ・コイケは若々しくキュートだ」

 こう言ってくれる。

「東京いや日本のすべての世代の人達の支持を得られるようにがんばる」

 土曜日の朝、小池は決意を新たにした。

昔からの小池の支持者は、

「オリンピックのドンとの関係は修復できるか」

 こう心配する。

「やるっきゃない」

 小池はこの言葉を返して闘志を露わにした。

「さあ、この週末が勝負だ。みんながんばろう」

 小池はスタッフに声をかけ、事務所を後にした。

Friday, July 22, 2016

二宮正治小説:実録東京都知事選:P4:(この物語はフィクションです)

 小池百合子は今回の都知事選に確かな手応えを感じていた。

「応援の輪が広がっている、うれしい」

 小池は自分が都知事になる事について大いなる自信をもっている。

「この候補者の中で本当に東京の未来をつくり上げる事ができるのは私だけだ。だてに代議士を続

けてきたのではない。必ず東京都民は私の心を分かってくれるはず」

 一息ついて、

「東京都の職員のやる気を引き起こし、光り輝く東京を造る事が私の使命だ」

 小池は、

「絶対に負けない」

 自分にこう言い聞かせた。

一日の仕事をすべて終え、遅い夜のご飯を取り、

後はベッドで横になるだけとなった小池は一人の女声に戻っていた。

「慣れているなずなのに、一人寝はやはり寂しい。私を愛してくれる人が欲しい」

 小池はフーっとため息をついてベッドに横になるのだった。

Tuesday, July 19, 2016

二宮正治小説:実録東京都知事選:P3 (この物語はフィクションです)

 小池百合子は確かな手応えを感じていた。

「自民党の推薦を得られなかったのは痛い。でもかなり多くの自民党支持者が私を応援してくれている」

 小池百合子と同じ年の支持者は、

「おれは自民党を除名になってもいい。小池先生を応援したいんだ。小池先生は長い間冷や飯街道を歩いたもんなあ。見るのが辛かったよ」

 こう言ってくれた。

「ありがとう」

 微笑んで小池百合子は言葉を返したが、

涙をこらえるのに必死だった。

「東京を東京らしく栄えさせる事ができるのは小池百合子」

 みんなこう言ってくれるのだ。

「有難う皆さん、がんばりますので応援よろしく」

 小池のこの言葉に聴衆は、

「がんばれよ、応援してるからなあ」

 拍手と共にこの言葉を送ってくれた。

「投票率が上がれば私が勝つ」

 小池百合子のほほ笑みの底はこの思いでいっぱいだった。

Friday, July 15, 2016

二宮正治小説:実録東京都知事選:P2 (この物語はフィクションです)

 小池百合子は夜遅い夕食を食べながらテレビの報道を見ていた。

「小池、増田、鳥越この三候補の三つ巴の戦い」

 この局もこう言っている。

小池はメラメラと怒りがこみ上げてきた。

野党統一候補の鳥越俊太郎に対してである。

「何でこんな健康に不安がある人が出てくるんだ。四年間もつのか。体調悪化で辞任なんて事にな

ったら世界の笑い者になる。それにこの人都政を知っているのか。何の政策もないのでは」

 怒りは収まらない。

「まあ東京都民は私の事を必ず評価してくれると思う。21人の候補の中で、世界に目を向けている

のは私だけだ。東京は世界の東京なのだ。世界の人々があこがれている街だ。それを認識できて

いない候補が都知事になると東京都民は不幸になる」

 自分の心にこう言い聞かせて荒ぶる自分の心をなだめた。

夜遅くベッドに入ると心が高ぶって寝付かれなかった。寝返りを幾度と無くうった。

「ああ、私を慰めてくれる人が欲しい。私は今恋を忘れた女性になっている」

 他人には絶対に見せない小池百合子の真実だった。

Wednesday, July 13, 2016

二宮正治小説:実録東京都知事選P1:新連載(この物語はフィクションです)

 小池百合子はこの都知事選に大勝負をかけていた。

「これ以上の冷や飯はまっぴらごめんだ。このまま自民党で国会議員をしていても埋もれてしまう」

 この思いが強かったのである。

「世間を唖然とさせてやる」

 こうも思った。

「小池百合子を忘れるな」

 鏡に向かってこう叫けぶ。

なぜか涙がこぼれた。

「百合子なぜ泣くんだ。貴方は強い女なのだ」

 自分に必死でこう言い聞かせたが、涙は止まらない。

今から自分が歩こうとしている道が平坦ではない事を、

心の底の底で分かっているから涙がこぼれ出たのかも。

それと常日ごろの、

「仲間の代議士の冷たい視線と態度」

 これが追い打ちをかけたのかもしれない。

「絶対に負けない」

 もう一度鏡に向かって百合子は自分に言い聞かせた。

いつしか涙はとまり、戦う女の顔に戻っていた。