Thursday, May 26, 2016

二宮正治小説:女性国会議員が恋をして何が悪い:P13

女性国会議員Aは国会議員になってもうベテランと言われる部類に属しているが、

「総理候補に」

 こんな話は全然ない。

表向きは平静を装っているが、後輩女性議員達が、

「未来の総理候補」

 こんな風に言われてチヤホヤされているのを見ると面白くない。

「私だって総理の座を狙っているのだ」

 自分に言い聞かすように心の底でこう呟くが、

だれもそんなAの心を分からない。

それどころか後輩女性議員は、

「私が総裁選に出馬する時は推薦人になってくれますよね」

 こう言ってくる

Aは微笑みながら、

「私にできる事はやってあげるわ。遠慮無く言って」

 こう言葉を返すが内心では、

「負けるもんか、あっと言わせてやるからな」

 こう思うのだった。

Wednesday, May 25, 2016

二宮正治小説:女性国会議員が恋をして何が悪い:P12

 女性国会議員Aとかかりつけの医師Nとの恋は永遠に続くと思われた。

だが終わりはあっけなくやって来た。

政局が風雲急を告げる今、Aの毎日は会議に次ぐ会議の日が続いた。

ある日の深夜会議をしているホテルのラウンジでNは若い女性と飲んでいた。

Aは自分の私設秘書をこのNに張り付かせてこの二人の会話を聞いた。

「ババーの相手はくたぶれるよ」

「悪い思い出は忘れるに限る今日は私がたっぷり愛してあげるから」

「ありがたい。ぼくが愛しているのは君だけだ」

「分かっているわよ」

 秘書からかかりつけの医師と若い女性の会話を聞いた時、

Aは腹が立つより呆れ返った。

「世の中ってこんなもの。ケセラセラ」

 ただ自分ではなんて事はないと思っていたが、

気がついたらホテルの部屋でウイスキーを煽っていた。

Sunday, May 1, 2016

二宮正治小説:女性国会議員が恋をして何が悪い:P11

女性国会議員Aは大人のおもちゃに向かって、

「当分あなたのお世話にならなくていいみたい。しばらくお役目御免よ」

 こう言った。

4月の週末、Aは地味な格好をして東京郊外の貸し別荘に出かけた。

Aがその場所に到着すると、かかりつけの医師でAの恋愛相手Nはもうその場所で待っていた。

二人は顔を見合わせると、部屋に入りいきなり愛し始めたのだった。

全裸になったAはNに、

「私の愛し方であなたを愛していい」

 こう聞くと、

「お好きにどうぞ」

 この答えが返って来た。

熱いキスを何度も繰り返した後、AはNの乳首を舌で愛撫し始めるとNは、

「う、う、う、う、う、う、う」

 と喘ぎ始めた。

「気持ちいい」

「うん・・・・」

 この会話の後AはNの首筋に唇を這わせた。

中年の激しい愛の交歓がまた始まった。