Thursday, May 26, 2016

二宮正治小説:女性国会議員が恋をして何が悪い:P13

女性国会議員Aは国会議員になってもうベテランと言われる部類に属しているが、

「総理候補に」

 こんな話は全然ない。

表向きは平静を装っているが、後輩女性議員達が、

「未来の総理候補」

 こんな風に言われてチヤホヤされているのを見ると面白くない。

「私だって総理の座を狙っているのだ」

 自分に言い聞かすように心の底でこう呟くが、

だれもそんなAの心を分からない。

それどころか後輩女性議員は、

「私が総裁選に出馬する時は推薦人になってくれますよね」

 こう言ってくる

Aは微笑みながら、

「私にできる事はやってあげるわ。遠慮無く言って」

 こう言葉を返すが内心では、

「負けるもんか、あっと言わせてやるからな」

 こう思うのだった。

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