Wednesday, July 13, 2016

二宮正治小説:実録東京都知事選P1:新連載(この物語はフィクションです)

 小池百合子はこの都知事選に大勝負をかけていた。

「これ以上の冷や飯はまっぴらごめんだ。このまま自民党で国会議員をしていても埋もれてしまう」

 この思いが強かったのである。

「世間を唖然とさせてやる」

 こうも思った。

「小池百合子を忘れるな」

 鏡に向かってこう叫けぶ。

なぜか涙がこぼれた。

「百合子なぜ泣くんだ。貴方は強い女なのだ」

 自分に必死でこう言い聞かせたが、涙は止まらない。

今から自分が歩こうとしている道が平坦ではない事を、

心の底の底で分かっているから涙がこぼれ出たのかも。

それと常日ごろの、

「仲間の代議士の冷たい視線と態度」

 これが追い打ちをかけたのかもしれない。

「絶対に負けない」

 もう一度鏡に向かって百合子は自分に言い聞かせた。

いつしか涙はとまり、戦う女の顔に戻っていた。

 

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