小池百合子はこの都知事選に大勝負をかけていた。
「これ以上の冷や飯はまっぴらごめんだ。このまま自民党で国会議員をしていても埋もれてしまう」
この思いが強かったのである。
「世間を唖然とさせてやる」
こうも思った。
「小池百合子を忘れるな」
鏡に向かってこう叫けぶ。
なぜか涙がこぼれた。
「百合子なぜ泣くんだ。貴方は強い女なのだ」
自分に必死でこう言い聞かせたが、涙は止まらない。
今から自分が歩こうとしている道が平坦ではない事を、
心の底の底で分かっているから涙がこぼれ出たのかも。
それと常日ごろの、
「仲間の代議士の冷たい視線と態度」
これが追い打ちをかけたのかもしれない。
「絶対に負けない」
もう一度鏡に向かって百合子は自分に言い聞かせた。
いつしか涙はとまり、戦う女の顔に戻っていた。
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