Friday, July 15, 2016

二宮正治小説:実録東京都知事選:P2 (この物語はフィクションです)

 小池百合子は夜遅い夕食を食べながらテレビの報道を見ていた。

「小池、増田、鳥越この三候補の三つ巴の戦い」

 この局もこう言っている。

小池はメラメラと怒りがこみ上げてきた。

野党統一候補の鳥越俊太郎に対してである。

「何でこんな健康に不安がある人が出てくるんだ。四年間もつのか。体調悪化で辞任なんて事にな

ったら世界の笑い者になる。それにこの人都政を知っているのか。何の政策もないのでは」

 怒りは収まらない。

「まあ東京都民は私の事を必ず評価してくれると思う。21人の候補の中で、世界に目を向けている

のは私だけだ。東京は世界の東京なのだ。世界の人々があこがれている街だ。それを認識できて

いない候補が都知事になると東京都民は不幸になる」

 自分の心にこう言い聞かせて荒ぶる自分の心をなだめた。

夜遅くベッドに入ると心が高ぶって寝付かれなかった。寝返りを幾度と無くうった。

「ああ、私を慰めてくれる人が欲しい。私は今恋を忘れた女性になっている」

 他人には絶対に見せない小池百合子の真実だった。

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