Thursday, December 29, 2016

現代日本人文芸:二宮正治小説:小池百合子都知事が歩く道:第2回:この物語はフィクションです。

「二宮正治さん、自民党都議連の若手が新しい会派を結成するそうだ」

 仲間が二宮正治にこう言った。

「小池都知事は自民都議連に風穴を開けた」

 違う仲間が呟いた。

「まあ、日本中の若者特に十代の若者が小池都知事を応援しているので、将来の事を考えたんだ

ろう。賢明な選択だ」

 二宮正治が仲間に呟く。

そしてこうも言った。

「小池都知事は東京だけでなく、日本を変える」

 仲間の女子大学生が、

「日本を変えるかもね」

 こうも言った。

「優秀なスタッフを揃えないと」

「そうだ、世界のコイケになるのだ」

「東京は世界の大都市のモデル都市になる」

 みんな鼻息が荒い。 

 

Tuesday, December 27, 2016

現代日本人文芸:二宮正治小説:小池都知事が歩む道:第1回:新連載

 二宮正治は小池百合子の歩む道に確かな手応えを感じていた。

「マスコミの中には小池百合子の事を悪くいう社もあるが、おおむね評判はいい。何よりうれしいの

が、若者に高い評価を得ている事だ」

 二宮正治は満足していた。

「東京が変われば日本の地方が刺激を受けて変わる。おれの生まれ故郷の広島も変わり始めた。

潰れる寸前の状態まで追い込まれていたが、復活への道を歩み始めた。小池百合子のおかげだ」

「二宮さんの目に狂いはなかったね」

 仲間がこう声をかける。

「おかげさまで、うまくいったよ」

「何よりも小池百合子には十代、二十代の支持者が多い事だ」

 二宮正治とその仲間は顔を見合わせた。

「小池百合子をリーダーに日本の政令指定都市は連携を深めて日本創生を目指すのだ」

「そうだ。国民一人ひとりが日本創生を目指す気概がないと」

「それにはまず東京創生だな。みんなでこれからも小池百合子を応援しような」

 二宮正治とその仲間はもう一度顔を見合わせた

 

 

Tuesday, August 23, 2016

現代日本人文芸:二宮正治小説:SMAP解散は国民の目にどう写ったか:第2回

「いったいだれが、どこの女性が木村拓哉をサポートしているんだろうね」

 ジャイアンツ女子が吐き捨てるように言う。

「ほんまや、よっぽどジャニーズ事務所の社長に気に入られて長年チヤホヤされたんちゃうか」

 タイガース女子が相槌を打つ。

「他のメンバーは自分のファンを確実にもっとるけえ、面白うないわいねえ」

 広島出身のカープ女子が話を続ける。

「これ以上SMAPとしても活動は無理よ」

「ほんまや」

「一人ひとりで活動したほうがええ」

 それぞれが自分の思いを呟く。

「それにしてもキムタクは今後どうやって生きていくんだろう」

 ジャイアンツ女子が心配そうに呟く。

「子どもやないんやから、自分で決めなあかん」

「ほんまよう。でも俳優やるにしても難しいじゃろうねえ」

 タイガース女子、カープ女子が言葉を続ける。

Sunday, August 21, 2016

現代日本人文芸:二宮正治小説:SMAP解散は国民の目にどう写ったか第1回:

カープ女子のみならず、巨人女子や阪神女子及びセ・リーグ各球団の女子をかき集めたセイジは

結成当時からいるプロ野球女子に語りかけていた。

「SMAPがとうとう解散したね」

 このセイジの言葉に、

「子供の頃から活躍していた人達だから、一つの時代が終わったって感じがする」

 23歳のカープ女子がこう反応すると、26歳の巨人女子が、

「セイジさんが数年前から木村拓哉の人気が若い女性に通用しなくなっていると警告し続けたのに

聞かなかったよね。あの時にもっとしっかりと手を打っていればこんな事にはならなかった」

 ポツリと呟く。

「かつては若い女性に抱かれたい男NO1と言われた人なのに」

「日本人男性のパンツ(下着)を変えた人よ」

「今はもう他のメンバーの足をひきずる存在でしか無い」

 カープ女子を始めとしてプロ野球女子の声は手厳しい。

セイジはみんなに言い聞かすというより、自分に言い聞かすように、

「キムタクは次に出演する作品でコケたら将来がない」

 こう呟いた。

Monday, August 1, 2016

現代日本人文芸:二宮正治小説:東京都知事選:第14回:(この物語はフィクションです)

 小池百合子は増田寛也に百万票以上の差をつけて勝った。

「長年の心のもやもやがなくなり心が晴れた。本当にうれしい」

 小池百合子の体の底から沸き上がってくる喜びは、

自民公明推薦の候補を破った事もあるが、

それよりもっと大きい喜びは、

「数多くの女性票を得る事が出来た」

 この事である。

「この日本国には見えざる姥捨て山」

 これが存在する。

「私は最近この見えざる姥捨て山の住民になっていた」

 この思いが脳裏によぎる時、

小池百合子の目からは涙がこぼれ落ちた。

他人には決して見せない涙を。

「がんばるぞ」

 小池百合子は当選の次の日、決意を新たにするのだった。

Sunday, July 31, 2016

現代日本人文芸:二宮正治小説:実録東京都知事選:第13回:(この物語はフィクションです)

 小池百合子は都知事選に確かな手応えを感じていた。

東京都民だけでなく、東京を愛する世界各国の人々が、

「小池百合子さん、がんばって。東京をもっともっと光り輝かせて」

 こう言ってくれるのだ。

「世界の大都市との都市外交もお願いします」

 こうも。

「この難しい時代を東京を操縦できるのは、国会議員を長年勤め内外の事情に詳しい私しかいな

い」

 実際世界の要人が、

「あなたが都知事になたら東京を訪問しますので」

 こう言ってくれている。

「今日夜中には祝杯をあげたい」

 小池百合子の心と体には自信がみなぎっていた。

Saturday, July 30, 2016

現代日本人文芸:二宮正治小説:実録東京都知事選:P12:(この物語はフィクションです)

 ある学者が小池百合子が東京都知事に就く事による経済効果について語ってくれた。

「この日本の国は世代の断絶が存在する。ちょうど小池百合子氏が生まれた昭和二十七年と一歳

年下の昭和二十八年生まれの人達の間には見えざる川が存在する。仮に日本人全部を揺すって

混ぜてもしばらくすれば、必ず昭和二十七年以前に生まれた人々と昭和二十八年以降に生まれた

人々に別れる。だからこの日本国では個人消費が伸びないのである。小池百合子氏以上の年齢

の人々の個人消費量は何と日本人全体の半分に相当するのだ。

 小池百合子氏が都知事になったら、同じ年代のやそれ以上の年代の女性が刺激を受けて必ず

個人消費がうなぎのぼりに跳ね上がる。日本経済を刺激する事ができるのだ。

『小池百合子氏が頑張っているなら私も頑張ろう』

 こんな風にね。

 実際、今小池百合子氏は光り輝いている。それに小池百合子氏は世界の要人と五分で話ができ

る強みがある。小池百合子氏が東京知事に就くことによる経済効果は計り知れないものがある」

 泣いても笑っても選挙運動は今日30日限りとなった。

「私は必ず東京都知事になる」

 小池百合子は心に誓った。

Friday, July 29, 2016

二宮正治小説:実録東京都知事選:P11(この物語はフィクションです)

「泣いても笑っても選挙戦は今日と明日のみ、がんばるぞ」
 
 小池百合子は29日の朝決意を新たにした。

小池の元には、

「小池百合子さんって本当は魅力的な女性だったんですね。ファンになりましたよ。今まで小池百

合子さんのイメージは、一匹狼で党内をかき乱すようなイメージしかなかった。でも今回の選挙戦

で素晴らしい女性であることがよく分かりました。あなたこそ次の東京都知事にふさわしい方です

よ。がんばってください」

 この声が続々届いている。

昔から小池百合子を応援してくれている人々が、

「全国いや全世界の女性が応援してくれているよね。こころ強い」

 こう言ってくれる。

「都知事になってからが大変だよ。気を緩めないでね」

「もちろん」

 小池百合子は微笑み返しで応じた。 

Thursday, July 28, 2016

二宮正治小説:実録都知事選:P10:(この物語はフィクションです)

「小池百合子は大年増で厚化粧の女だ」

 石原慎太郎氏が自民党総決起集会でこう発言した。

小池は腹が立つどころが呆れ返っている。

「断末魔の叫びだ。自民党候補も終わりだ」

 小池は心の底でこう呟く。

今日本中のみならず世界の人々が、

「小池百合子は光り輝いている」

 こう言ってくれているのだ。

「光り輝く小池百合子が光り輝く東京の知事になり東京を世界の太陽にするのだ」

 世界の人々はこうも言う。

「東京が今以上の力を持てば、色々な諸問題は解決に向かう」

 小池はこう確信していた。

「都市外交はこの小池百合子に任せて欲しい」

 自分自身に言い聞かせるように呟いて、小池百合子は今日の選挙運動へ取りかかった。

Wednesday, July 27, 2016

二宮正治小説:実録東京都知事選:P9(この物語はフィクションです)

「あと4日だ」

 小池百合子は27日朝早く起きて残り4日のスケジュールを組み立てている。

「当選したら、世界のリーダーを東京に呼ぼう。東京の良さ、日本の良さを知ってもらうのだ。私が

世界の主要都市に出かけてもいい。世界の人々にまず東京を見てもらい、そして地方を旅してもら

う。地方経済の回復にもお役に立ちたい」

 百合子の夢は大きい。

「主要三候補の中で経済は私が一番知っている」

 小池百合子は経済に関して自信を持っていた。

「だてに長年国会議員をやってきたのではない」

 夜明けのコーヒーを飲みながら自分に言い聞かすように、

「あとは四十歳以下の人々の気持ちをしっかりとつかもう。それが大事だ」

 こう呟いた。

「私は勝つ。勝って新しい東京をつくるのだ」

 この事を心に誓った。

Tuesday, July 26, 2016

二宮正治小説:実録東京都知事選:P8:(この物語はフィクションです)

「小池百合子さん、きれいになったねえ」
 
 選挙運動をしていると、人々が近寄ってきてこう言ってくれる。

小池百合子は最近鏡を見て、

「最近疲労が目立つ」

 こう思っていたのだ。

だが行く先々で、

「江戸っ子が応援しているぞ」

 この声を聞くと、体の底から力が湧いてくるのだった。

自民党員も処罰を覚悟の上小池百合子を応援してくれる。

「さあ、今日26日を含めてあと5日必死でがんばろう」

 朝早く朝食を取りながら自分にこう言い聞かせた。

「小池百合子じゃないと出来ない事を私はやってみせる」

 こう呟いて決意を新たにしたのである。

Monday, July 25, 2016

二宮正治小説:実録東京都知事選:P7(この物語はフィクションです)

 小池百合子はこの選挙に確かな手応えを感じていた。

メディアも、

「小池氏リード」

 こう伝えている。

小池は月曜日からの選挙運動の準備をしながら、自分が今回の都知事選に出る意義を自分自身

に言い聞かせた。

「私が出馬することにより、都知事になる事により、同年代の女性に勇気を与える事ができる。私

達の世代はちょうど古い世代と新しい世代の境界線にいて、何かと孤独な女性が多い。そんな女

性の希望の星に私はなろうと思う。個人消費の拡大も望める。私が都知事になる経済効果は起き

いのだ」

 そして、紅茶をゆっくり飲んで、

「誰にも真似のできない、都知事外交を展開してやる」

 こうも呟いた。

「飛躍しようとする女性たちの希望の星になるのだ」

 最後にこう呟いて小池は瞼を閉じた。

Sunday, July 24, 2016

二宮正治小説:実録東京都知事選:P6:(この物語はフィクションです)

 小池百合子は今回の都知事選に確かな手応えを感じていた。

「かなりの自民党支持者が私を応援してくれている」

 この事がはっきり分かったのだ。

「東京の灯を消してはいけない。この東京の灯を守れるのは私しかいない」

 小池は自分にこう言い聞かせた。

日曜日の朝読売新聞に、

「小池氏増田氏競う」

 こう書いてあった。

「増田氏には女性票が取り込めない。必ず私が勝つ」

 小池は勝利を確信していた。

「東京を世界の中心にする」

 こう自分に言い聞かせて、スタッフに、

「今日もがんばろう」

 こう激を飛ばした。

Saturday, July 23, 2016

二宮正治小説:実録東京都知事選:P5:(この物語はフィクションです)

 小池百合子にうれしい知らせが入ってきた。

「世界の人達、それも女性が小池百合子を支持している」

 この知らせだ。

「うれしい、都知事になったら思う存分仕事ができる」

 小池は体の底から力が湧き上がってくるのを感じた。

世界の男性も、

「ユリコ・コイケは若々しくキュートだ」

 こう言ってくれる。

「東京いや日本のすべての世代の人達の支持を得られるようにがんばる」

 土曜日の朝、小池は決意を新たにした。

昔からの小池の支持者は、

「オリンピックのドンとの関係は修復できるか」

 こう心配する。

「やるっきゃない」

 小池はこの言葉を返して闘志を露わにした。

「さあ、この週末が勝負だ。みんながんばろう」

 小池はスタッフに声をかけ、事務所を後にした。

Friday, July 22, 2016

二宮正治小説:実録東京都知事選:P4:(この物語はフィクションです)

 小池百合子は今回の都知事選に確かな手応えを感じていた。

「応援の輪が広がっている、うれしい」

 小池は自分が都知事になる事について大いなる自信をもっている。

「この候補者の中で本当に東京の未来をつくり上げる事ができるのは私だけだ。だてに代議士を続

けてきたのではない。必ず東京都民は私の心を分かってくれるはず」

 一息ついて、

「東京都の職員のやる気を引き起こし、光り輝く東京を造る事が私の使命だ」

 小池は、

「絶対に負けない」

 自分にこう言い聞かせた。

一日の仕事をすべて終え、遅い夜のご飯を取り、

後はベッドで横になるだけとなった小池は一人の女声に戻っていた。

「慣れているなずなのに、一人寝はやはり寂しい。私を愛してくれる人が欲しい」

 小池はフーっとため息をついてベッドに横になるのだった。

Tuesday, July 19, 2016

二宮正治小説:実録東京都知事選:P3 (この物語はフィクションです)

 小池百合子は確かな手応えを感じていた。

「自民党の推薦を得られなかったのは痛い。でもかなり多くの自民党支持者が私を応援してくれている」

 小池百合子と同じ年の支持者は、

「おれは自民党を除名になってもいい。小池先生を応援したいんだ。小池先生は長い間冷や飯街道を歩いたもんなあ。見るのが辛かったよ」

 こう言ってくれた。

「ありがとう」

 微笑んで小池百合子は言葉を返したが、

涙をこらえるのに必死だった。

「東京を東京らしく栄えさせる事ができるのは小池百合子」

 みんなこう言ってくれるのだ。

「有難う皆さん、がんばりますので応援よろしく」

 小池のこの言葉に聴衆は、

「がんばれよ、応援してるからなあ」

 拍手と共にこの言葉を送ってくれた。

「投票率が上がれば私が勝つ」

 小池百合子のほほ笑みの底はこの思いでいっぱいだった。

Friday, July 15, 2016

二宮正治小説:実録東京都知事選:P2 (この物語はフィクションです)

 小池百合子は夜遅い夕食を食べながらテレビの報道を見ていた。

「小池、増田、鳥越この三候補の三つ巴の戦い」

 この局もこう言っている。

小池はメラメラと怒りがこみ上げてきた。

野党統一候補の鳥越俊太郎に対してである。

「何でこんな健康に不安がある人が出てくるんだ。四年間もつのか。体調悪化で辞任なんて事にな

ったら世界の笑い者になる。それにこの人都政を知っているのか。何の政策もないのでは」

 怒りは収まらない。

「まあ東京都民は私の事を必ず評価してくれると思う。21人の候補の中で、世界に目を向けている

のは私だけだ。東京は世界の東京なのだ。世界の人々があこがれている街だ。それを認識できて

いない候補が都知事になると東京都民は不幸になる」

 自分の心にこう言い聞かせて荒ぶる自分の心をなだめた。

夜遅くベッドに入ると心が高ぶって寝付かれなかった。寝返りを幾度と無くうった。

「ああ、私を慰めてくれる人が欲しい。私は今恋を忘れた女性になっている」

 他人には絶対に見せない小池百合子の真実だった。

Wednesday, July 13, 2016

二宮正治小説:実録東京都知事選P1:新連載(この物語はフィクションです)

 小池百合子はこの都知事選に大勝負をかけていた。

「これ以上の冷や飯はまっぴらごめんだ。このまま自民党で国会議員をしていても埋もれてしまう」

 この思いが強かったのである。

「世間を唖然とさせてやる」

 こうも思った。

「小池百合子を忘れるな」

 鏡に向かってこう叫けぶ。

なぜか涙がこぼれた。

「百合子なぜ泣くんだ。貴方は強い女なのだ」

 自分に必死でこう言い聞かせたが、涙は止まらない。

今から自分が歩こうとしている道が平坦ではない事を、

心の底の底で分かっているから涙がこぼれ出たのかも。

それと常日ごろの、

「仲間の代議士の冷たい視線と態度」

 これが追い打ちをかけたのかもしれない。

「絶対に負けない」

 もう一度鏡に向かって百合子は自分に言い聞かせた。

いつしか涙はとまり、戦う女の顔に戻っていた。

 

Thursday, May 26, 2016

二宮正治小説:女性国会議員が恋をして何が悪い:P13

女性国会議員Aは国会議員になってもうベテランと言われる部類に属しているが、

「総理候補に」

 こんな話は全然ない。

表向きは平静を装っているが、後輩女性議員達が、

「未来の総理候補」

 こんな風に言われてチヤホヤされているのを見ると面白くない。

「私だって総理の座を狙っているのだ」

 自分に言い聞かすように心の底でこう呟くが、

だれもそんなAの心を分からない。

それどころか後輩女性議員は、

「私が総裁選に出馬する時は推薦人になってくれますよね」

 こう言ってくる

Aは微笑みながら、

「私にできる事はやってあげるわ。遠慮無く言って」

 こう言葉を返すが内心では、

「負けるもんか、あっと言わせてやるからな」

 こう思うのだった。

Wednesday, May 25, 2016

二宮正治小説:女性国会議員が恋をして何が悪い:P12

 女性国会議員Aとかかりつけの医師Nとの恋は永遠に続くと思われた。

だが終わりはあっけなくやって来た。

政局が風雲急を告げる今、Aの毎日は会議に次ぐ会議の日が続いた。

ある日の深夜会議をしているホテルのラウンジでNは若い女性と飲んでいた。

Aは自分の私設秘書をこのNに張り付かせてこの二人の会話を聞いた。

「ババーの相手はくたぶれるよ」

「悪い思い出は忘れるに限る今日は私がたっぷり愛してあげるから」

「ありがたい。ぼくが愛しているのは君だけだ」

「分かっているわよ」

 秘書からかかりつけの医師と若い女性の会話を聞いた時、

Aは腹が立つより呆れ返った。

「世の中ってこんなもの。ケセラセラ」

 ただ自分ではなんて事はないと思っていたが、

気がついたらホテルの部屋でウイスキーを煽っていた。

Sunday, May 1, 2016

二宮正治小説:女性国会議員が恋をして何が悪い:P11

女性国会議員Aは大人のおもちゃに向かって、

「当分あなたのお世話にならなくていいみたい。しばらくお役目御免よ」

 こう言った。

4月の週末、Aは地味な格好をして東京郊外の貸し別荘に出かけた。

Aがその場所に到着すると、かかりつけの医師でAの恋愛相手Nはもうその場所で待っていた。

二人は顔を見合わせると、部屋に入りいきなり愛し始めたのだった。

全裸になったAはNに、

「私の愛し方であなたを愛していい」

 こう聞くと、

「お好きにどうぞ」

 この答えが返って来た。

熱いキスを何度も繰り返した後、AはNの乳首を舌で愛撫し始めるとNは、

「う、う、う、う、う、う、う」

 と喘ぎ始めた。

「気持ちいい」

「うん・・・・」

 この会話の後AはNの首筋に唇を這わせた。

中年の激しい愛の交歓がまた始まった。

Friday, April 29, 2016

二宮正治小説:女性国会議員が恋をして何が悪い:P10

女性国会議員Aとかかりつけの医師Nは、
「お互いの一人エッチ」
 これを見せながら、激しく興奮するのだった。
Nが、
「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ」
 こう声をあげるとそれにつられてAが、
「あああ、あああ、あああ、あああ」
 と身をよじって興奮した。
Nは、
「Aさん、いきそう」
 泣きそうな声でこう言うと、
「ああ、私も」
 Aも泣きそうな声で言葉を返した。
「ああイク・・・・・・・・」
 Nが絶叫した。
「ああああああ」
 Aも絶叫する。
お互いの手が激しく動いた。
Nの秘部からおびただしい白い液体が飛び出した。
Aの秘部も、
「ぐちゃ、ぐちゃ」
 と激しい音を立てた。
二人はぐったりとして動かくなった。
激しい愛の交歓をした後のホテルの一室には静かな静寂が漂った。

Thursday, April 28, 2016

二宮正治小説:女性国会議員が恋をして何が悪い:P9

女性国会議員Aとかかりつけの医師Nは激しく愛しあった後、
二人でブランデーを飲み乾杯した。
NはAに、
「A先生は相手に恵まれない時どうやって自分の欲望を慰めるの」
 こう聞くと、
「自分で慰めるしか手がないよ」
 笑いながらAが答えた。
今度はAがNに、
「N先生はどうなのよ」
 こう聞いた。
「A先生と同じ」
 Nがいたずらぽく答えた。
しばしの沈黙の後、
「N先生一人でするところを見せてよ」
 Aの目は潤んでいる。
「はやく・・・・・」
 わかった。
Nは自分の大事なところをさわり始めた。
Nの口から、
「あ、あ、あ、あ、あ」
 喘ぎ声が漏れ始める。
この姿を見てAは激しく興奮する。
身を捩らせて自分の秘部をまさぐり始めた。
Aの口からも、
「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、」
 ものすごい声が漏れた。
その声を聞いて興奮したNの手は一段と早く動いた。
「あ、あ、あ、あ、あ、あ、」
「あああ、あああ、あああ、あああ」
 AとNの喘ぎ声の大合唱である。

Thursday, April 14, 2016

二宮正治小説:女性国会議員が恋をして何が悪い:第8回

 女性国会議員Aとかかりつけの医師Nは都内の夜景が見渡せるホテルで愛し始めた。

お互いに全裸になり熱い口づけを交わした後、NはAの全身を愛撫し始めた。

「ああ、久しぶりに男性に愛されるから体は火照り頭はくらくらする」

 Aの声は涙声だ。

やがてNはAの敏感な部分に口を這わせた。

Aは身をよじって、

「あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、あ、」

 こう叫んで激しくあえいだ。

Nの愛撫は終わらない。

「ああいい、ああいい、ああいい、ああいい」

 Aの涙声は一段とひどくなる。

口びるの愛撫の後Nは指を優しくAの敏感な部分にあてた。

「ああ、もうたまんない」

 Aはこう叫んでNにむしゃぶりついた。

Tuesday, April 12, 2016

二宮正治小説:女性国会議員が恋をして何が悪い:第7回

 女性国会議員Aはかかりつけの医師Nとの恋の予感を感じていた。

「この人とは結ばれる」

 Nは酔を冷ましているAの為に歌をうたってくれた。

「街のどこかに寂しがりやが一人・・・・・」

 古典的フォークソング、真夜中のギターである。

二人は口をそろえて歌った。そしてその後Nが、

「今日はあなたのぬくもりがないと寝れそうもない」

 こう言う。

「私も同じ思いです」

 Aがこう言うとNは、

「ああうれしい」

 こう言ってNを抱きしめた。

「恋物語をつくろう」

「ええ」

 伴侶をなくした女性国会議員とそのかかりつけの医師の新しい恋の物語が始まる。

Tuesday, March 29, 2016

二宮正治小説:女性国会議員が恋をして何が悪い:第6回

女性国会議員Aは自分の選挙区の居酒屋で若者と大いに盛り上がり、

一夜の恋を楽しもうと思ったが、それはできなかった。

やはりスキャンダルが恐ろしい。

近くの公園で酔を冷ましていると、

「ああ先生じゃないですか」

 と声をかけてくる男性がいた。

Aの健康診断をしてくれている医師Nである。

「今日は若者と飲み過ぎちゃってねえ、酔を冷ましているの」

 このAの言葉に、Nは、

「うやらましい、ぼくはお酒がのめないから」

 ポツリとこう言った。

そして、

「女房を亡くして夜が長くて」

 寂しそうに呟いた。

「可哀想」

「ええ」

 Aは恋が芽生える予感がしていた。


Sunday, March 27, 2016

二宮正治小説:女性国会議員が恋をして何が悪い:第5回

 女性国会議員Aの心と身体は燃えに燃えていた。

大好きな焼酎黒霧島を湯割りにして飲んだ。

「今日は黒霧島を飲んでぐっすり寝よう」

 こう思いながらチビチビ飲んでいたが、

目が冴えて余計に体が火照ってきた。

「誰か私を慰めて」

 こう呟くがどうしようもない。

Aは寝るのを諦めて自分の選挙区の若者が集うスナックへと向かった。

「これはこれはA先生ようこそ」

 若者がAを迎えてくれる。

「若い人はいいわね」

「A先生だって若いよ」

「もうあばあちゃんよ」

「そんな事ない」

 Aの週末の楽しい会話が始まった。

Wednesday, March 23, 2016

二宮正治小説:女性国会議員が恋をして何が悪い:第4回

 女性国会議員Aは日頃から尊敬してやまない政治評論家Vとお酒を飲んだ。

そして、

「一夜を一緒に過ごそう」

 Aのこの誘いをVはやんわりと断った。

「明日朝はやいから」

 こう言って帰って行ったのである。

Aは腹が立ってVの後をタクシーでつけると、

Vはあるホテルに入って行った。

そこには某新聞社の若手ジャーナリストが待っていた。

「ああ、うわさ通りのプレイボーイさんだ」

 Aはこう言って自分を慰めたが、

自分の申し出を断られた憤りが消えない。

「若い女には勝てない」

 必死で自分にこう言い聞かせたが、

それでも腹の虫が収まらない。

Monday, March 21, 2016

二宮正治小説:女性国会議員が恋をして何が悪い:第3回

 女性国会議員Aは週末の夜なかなか寝付かれない。

「ああ、だれが私を愛して」

 何度もこう呟いた。

呟けば呟くほど寝れなくなる。

Aは寝るのを諦めて鏡の前に立った。

そしてセクシーな下着をつけてこう自分自身に言い聞かせた。

「私は女としてまだまだ行ける。捨てたもんじゃあない。素敵な彼氏が必ず現れる。死んだ夫への

義理は済んだ」

 「六十女には六十歳の女の良さがある」

  Aの気持ちは高ぶっていた。

「私を抱いて」

 Aの女の情念は燃え盛っていた。

Saturday, March 19, 2016

二宮正治小説:女性国会議員が恋をして何が悪い:第2回:新連載

 女性国会議員Aは同じ年代で同期の議員たちと金曜の夜語り合っていた。

「私は六十歳を過ぎても恋をしたいよの」

 このAの言葉に、

「そりゃあそうだろう。六十なんて青春まっただ中だ」

 厚生労働省出身で高齢者問題が専門の男性議員がAにこう言葉を返した。

「私この歳でまだ恋に恋するの」

 Aが恥ずかしそうにこう言うと、同期の女性議員が、

「だれでもそうよ」

 こう相槌を打った。

「それを聞いて安心した。私は夫をなくして『長々し夜を一人かもねん』毎日この世界だから」

「それは可哀想。恋人はいないの」

「いない」

「つくればいいじゃない」

「つくれない」

 しばしの沈黙の後、

「求めよ、さらば与えられん」

 財務官僚出身の男性議員がAにこう言うと、

みんなどっと笑った。

Friday, March 18, 2016

二宮正治小説:女性国会議員が恋をして何が悪い:第1回:新連載

 女性国会議員Aは夫に先立たれて三年が過ぎようとしている。

Aはもう六十歳を越えた。最近今までに味わった事のない孤独感にさいなまれていた。

Aは国会議員になって二十数年になる。大臣も経験した。

仲間の議員に、

「あと私が狙うのは総理だけ」

 冗談めかしていつもこう言うのだが、

腹の底では本気で総理の座を狙っていた。

Aは若手の議員から、

「うるさいおばさん」

 こんな目で見られている。

国会にいる時は気が張り詰めているので、寂しさを味わう事はなかったが、

一度仕事が終わり議員宿舎に返って一段落すると、

Aに孤独感という魔物が襲って来るのだった。