Wednesday, May 25, 2016

二宮正治小説:女性国会議員が恋をして何が悪い:P12

 女性国会議員Aとかかりつけの医師Nとの恋は永遠に続くと思われた。

だが終わりはあっけなくやって来た。

政局が風雲急を告げる今、Aの毎日は会議に次ぐ会議の日が続いた。

ある日の深夜会議をしているホテルのラウンジでNは若い女性と飲んでいた。

Aは自分の私設秘書をこのNに張り付かせてこの二人の会話を聞いた。

「ババーの相手はくたぶれるよ」

「悪い思い出は忘れるに限る今日は私がたっぷり愛してあげるから」

「ありがたい。ぼくが愛しているのは君だけだ」

「分かっているわよ」

 秘書からかかりつけの医師と若い女性の会話を聞いた時、

Aは腹が立つより呆れ返った。

「世の中ってこんなもの。ケセラセラ」

 ただ自分ではなんて事はないと思っていたが、

気がついたらホテルの部屋でウイスキーを煽っていた。

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