女性国会議員Aは同じ年代で同期の議員たちと金曜の夜語り合っていた。
「私は六十歳を過ぎても恋をしたいよの」
このAの言葉に、
「そりゃあそうだろう。六十なんて青春まっただ中だ」
厚生労働省出身で高齢者問題が専門の男性議員がAにこう言葉を返した。
「私この歳でまだ恋に恋するの」
Aが恥ずかしそうにこう言うと、同期の女性議員が、
「だれでもそうよ」
こう相槌を打った。
「それを聞いて安心した。私は夫をなくして『長々し夜を一人かもねん』毎日この世界だから」
「それは可哀想。恋人はいないの」
「いない」
「つくればいいじゃない」
「つくれない」
しばしの沈黙の後、
「求めよ、さらば与えられん」
財務官僚出身の男性議員がAにこう言うと、
みんなどっと笑った。
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