Monday, March 21, 2016

二宮正治小説:女性国会議員が恋をして何が悪い:第3回

 女性国会議員Aは週末の夜なかなか寝付かれない。

「ああ、だれが私を愛して」

 何度もこう呟いた。

呟けば呟くほど寝れなくなる。

Aは寝るのを諦めて鏡の前に立った。

そしてセクシーな下着をつけてこう自分自身に言い聞かせた。

「私は女としてまだまだ行ける。捨てたもんじゃあない。素敵な彼氏が必ず現れる。死んだ夫への

義理は済んだ」

 「六十女には六十歳の女の良さがある」

  Aの気持ちは高ぶっていた。

「私を抱いて」

 Aの女の情念は燃え盛っていた。

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