Wednesday, March 23, 2016

二宮正治小説:女性国会議員が恋をして何が悪い:第4回

 女性国会議員Aは日頃から尊敬してやまない政治評論家Vとお酒を飲んだ。

そして、

「一夜を一緒に過ごそう」

 Aのこの誘いをVはやんわりと断った。

「明日朝はやいから」

 こう言って帰って行ったのである。

Aは腹が立ってVの後をタクシーでつけると、

Vはあるホテルに入って行った。

そこには某新聞社の若手ジャーナリストが待っていた。

「ああ、うわさ通りのプレイボーイさんだ」

 Aはこう言って自分を慰めたが、

自分の申し出を断られた憤りが消えない。

「若い女には勝てない」

 必死で自分にこう言い聞かせたが、

それでも腹の虫が収まらない。

No comments:

Post a Comment